札幌市白石区南郷通9丁目、南郷通りと呼ばれる幹線道路沿いに松屋はあった。
しかし、男たちは向かいのびっくりドンキーの窓から眺めるだけだった。
ある障害により、男たちは松屋にはたどり着く事ができなかった。

ある障害・・・それは「中央分離帯」だった。

進行方向の左側にびっくりドンキー、右側に松屋がある。
しかし、中央分離帯が男たちの右折を拒んでいた。
何度挑戦してもびっくりドンキーに入ってしまった。左折、ラクだった。
松屋は、中央分離帯越えは、やがて悲願と呼ばれるようになった。

・・・それは、運転を担当する斉藤の一言がきっかけだった。
「切れ目でUターンすればいいんでないの?」斉藤、熱く語った。

一度目、失敗した。
「なぜだ!」車内に怒号。

しかし男たちは必死に原因を分析した。
そして、わかった。

誰かが言った。

「今日はハンバーグを食べたかった」

このような失敗を幾度となく繰返した。
男たち、そのたびに原因を分析。

アメリカ・フランス・ドイツから協力を申し出る企業も後を絶たなかった。
その数、20社を超えた。

しかし・・・。

「右側通行の国に、オレたちの事情が理解できるわけがない」

男たち、自分たちで解決する道を選んだ。

最初の挑戦から3日が過ぎた。
男たちを乗せた車、南郷通9丁目に向かっていた。
挑戦は、これで何度目か。正確な回数を覚えているものは一人もいなかった。

ハンドルを握る斉藤。
中央分離帯の切れ目となる交差点が近づく。
交差点の向こうは南郷通10丁目。
車、3車線の一番右側を走る。静寂が車内を包んだ。

その静寂を破るように斉藤、右方向にウィンカーを出す。
車内には、ウィンカーの音だけが響いていた。

斉藤、突然交差点の中で車を止めた。

「また失敗か?!」「今度は何があった!」

騒然となった。男たち、うつむいた。

次の瞬間、斉藤、ハンドルを右に切って車を再び走らせた。
車、ついにきれいな軌道を描いてUターンした。

「今停止したのは?」「故障か?」

・・・対向車待ちだった。

男たち、最後の難関に打ち勝った瞬間。

駐車場、広かった。
ドライブスルー、意味がわからなかった。

そびえ立つ2台の白い券売機。500円硬貨、投入。
「新作牛飯(大盛)」のボタン、押した。食券、出てきた。

斉藤、ボタンを押した。おつり、出なかった。

誰かが言った。

「それは返却ボタンで、おつりボタンはこっち」

男たちは笑った。

値段、安かった。
月給がアルバイトより少ない斉藤、非常に助かった。

やがて注文した牛飯(大盛)が、きた。
久々の牛飯。味噌汁、ついてきた。うれしかった。

斉藤、うれしさのあまり、七味をかけすぎた。

かけすぎて・・・泣いた。

男たちは、もう一度、笑った。

♪ここで是非、中島みゆき「地上の星」をかけてほしい!

ていうか、松屋イイわ。
あ、これ、「ピロジェクトX(ばってん)」だからね(笑)。


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